しゃぶしゃぶ

母親が5年ほど前にバルト3国を巡る観光ツアーに行った時の出来事です。

添乗員さんに連れられて、夕飯を食べに行ったのは、地元で有名な高級レストランだったそうです。
テーブルに着くと、給仕の人がお湯を入った大きな鍋のような物を持って来て、その隣に薄切り肉を並べたお皿を置いたそうです。
お皿の横にはお肉を取るのに使うトンクも置いてあり、鍋の下では大型のアルコールランプが力強く燃えていました。

母は「へぇ~。ヨーロッパにもしゃぶしゃぶがあるんだ」と感心して、おもむろにトンクを手にすると、お肉を一枚つまんでしゃぶしゃぶしました。

途端に、傍にいた店の人が「NO! マダム!!!」と絶叫。今まさに口にしようとしていたお肉を、皿ごと取り上げられました。

騒ぎを聞き駆けつけた給仕の人が、しゃぶしゃぶ用の肉だと思っていた「調理済みの肉料理」の皿を、鍋だと思った容器の上に置くと、母の目の前には日本でもおなじみの、料理を温めるための「保温器」が出現したそうです。

多分そのレストランでは「日本人観光客の奇行」として、今も語りぐさになっていると思います。


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